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プロ野球選手から感じる「プロならではのこだわり」とは?

5月。プロ野球が開幕してから気がつけば、もう2カ月が過ぎました。みなさんのひいき球団は思い通りの戦いをしていますでしょうか?

私がブログ担当となった前回の記事に掲載しましたが、埼玉西武ライオンズのWeb動画コンテンツ担当となってから2ヶ月で、今日現在までで大小合わせて約50本の動画を制作してyoutube並びにFacebookにて配信してきました。

その中で、今季から新たにスタートさせた企画動画が「野球道具・こだわりの一品」。今回はその製作過程において感じた「プロのこだわり」について、少しお話したいと思います。

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“衝突”を生むコリジョンルールの皮肉

プロ野球の醍醐味でもあるホームベース上での攻防が混迷を極めている。その原因は言わずもがな、今季から新たに導入された「コリジョンルール」だ。

ご存知のファンも多いかもしれないが、同ルールについて今一度、確認してみたい。

 

◆コリジョンルール
本塁突入による危険な衝突(コリジョン)を回避するため、2016年から導入。ボールを持たない捕手の本塁ブロックが禁止(走者も捕手への体当たり禁止)され、ホームベースを空けて(具体的には走者の走路など)おかなければならない。コリジョンルールに伴い、今季から本塁でのクロスプレーにもリプレー検証が導入。※詳細は右記を参照(http://npb.jp/npb/2016rules.html)

 

今季、これまでに特にクローズアップされたのが5月11日の阪神対巨人(甲子園)での、3回表・二死二塁の場面だ。阪神の先発・メッセンジャーから脇谷がセンター前に鋭い打球をはじき返すと、二走・小林は一気に本塁へ突進。それを中堅・大和が矢のような返球で生還を見事に阻止したかに見えた。だが、巨人・高橋監督がビデオ判定を要求すると一転して得点が認められた。審判団の説明はこうだ。「リプレー映像の検証の結果、コリジョンを適用してセーフとします」。当然、納得できない阪神・金本監督は猛抗議したが「リプレー検証後の抗議はできないのでお帰りください」と言われるだけの釈然としない説明にとどまったという。

 

後日、雑誌でコリジョンルールについて審判団が本音を語った記事を目にした。「『あれは、あのままアウトで良かったんじゃないの』という審判も確かにいます。それは包み隠さずに言います。全部が全部、同じとは言いません。ですから、判断なんです。なるべく、審判全員が同じ基準になるように、縮めてはいる」。なるほど、やはり審判団自身もルール解釈を統一している段階で、いまは“試用期間”とならざるを得ないのだろう。

 

ただ、個人的には賛否両論があるにせよ現段階では一定の理解(どこの世界にもルール解釈の歪曲はあるが、ことスポーツに関しては一刻も早い解決を願いたいが・・・)はしたい。一方でルールマンである審判には“試用期間”であれ、もっと毅然とした態度で説明責任を果たす必要が求められているのは言うまでもないだろう。今回の問題ではその点における過不足さが、「コリジョンルール」における無用の衝突を助長する皮肉な結果を招いているのだから―。

スポーツマンシップてなんだ!?

「スポーツとは?」

「スポーツマンとは?」

「スポーツマンシップとは?」

との問いに対して、正しく正確に答えられるスポーツマンがどれだけいるでしょうか?

 

スポーツ競技者、指導者、ビジネスに関わっている方にぜひ読んで頂きたい一冊として『新しいスポーツマンシップの教科書』を紹介します。
本書では、上記三つの要素についてわかりやすく解説しています。

たとえば、スポーツとは「運動を通して競争を楽しむ真剣な遊び」と定義されています。ただ楽しむというだけでなく、「ルール」「相手」「審判」の条件が揃った中で、真剣に勝敗を競わなければ、それはスポーツとは呼べません。

 

先日、リオ五輪のメダル候補のバドミントン選手による裏カジノ賭博問題が明らかになりました。近年、大相撲やプロ野球などスポーツ界で発覚している選手たちの賭博行為。なぜ、選手は違法な賭博行為にハマってしまうのか。選手の性格が原因か、それとも指導者に問題があるのでしょうか。

 

アスリートは本来、競技を通して「尊重」「判断力」「責任」などなど、社会で必要とされる様々な能力、精神などを学ぶはず。しかし、本質を理解している指導者が少なく「スポーツとは?」「スポーツマンシップとは?」について、私は競技者に正確に教育できていないのが現状の日本スポーツ界だと思うのです。例の賭博問題も、スポーツマンシップ教育が欠如していたことに一因があったのではないでしょうか。

 

スポーツをする人、子供たちに教える人にとって「もっとスポーツが好きになる、本質を学ぶ機会」、また、見つめ直すきっかけともなるオススメの一冊です。ぜひ読んでみてください。

埼玉西武ライオンズ 2016年 新たな試みを感じて

4月。多くの人々が新しいスタートを切る時期でもあります。かくいう私も、今季から埼玉西武ライオンズの動画コンテンツ担当へと配属変更となりました。皆さまに有益な情報をより早く、より正確にお届けできるよう、邁進してまいります。

と、所信表明が終わったところで本題。今回は、埼玉西武ライオンズの本拠地・西武プリンスドームが今年からリニューアルされた施設などについてお話したいと思います。

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プロ野球開幕!12球団グッズ特典はこれだ!

いよいよプロ野球が開幕しました。

ファンの皆さんやそうでない方も、球場に足を運ぶきっかけとして「無料配布」や「グッズ特典」が目当てという人も多いはず。熱狂的ファンにとっては当然、初めてプロ野球観戦をする初心者にとってもユニフォーム、タオル、人形などがもらえるというのはうれしい限りですね。

ということで、今回は、12球団別の本拠地開幕シリーズを対象に主な配布グッズ情報を調べてみました。

開幕リスト

対象者、対象人数等詳細については各球団HPをご覧ください。

▼セ・リーグ

・東京ヤクルトスワローズ
http://www.yakult-swallows.co.jp/

・読売ジャイアンツ
http://www.giants.jp/top.html

・阪神タイガース
http://hanshintigers.jp/

・広島東洋カープ
http://www.carp.co.jp/index.html

・中日ドラゴンズ
http://dragons.jp/

・横浜DeNAベイスターズ
http://www.baystars.co.jp/

 

▼パ・リーグ

・福岡ソフトバンクホークス
http://www.softbankhawks.co.jp/

・北海道日本ハムファイターズ
http://www.fighters.co.jp/index2.php

・千葉ロッテマリーンズ
http://www.marines.co.jp/

・埼玉西武ライオンズ
http://www.seibulions.jp/

・オリックス・バファローズ
http://www.buffaloes.co.jp/index2.php

・東北楽天ゴールデンイーグルス
http://www.rakuteneagles.jp/index2.php

いかがでしょうか?球団はシーズンを通して既存ファンの満足度向上や新規来場者の獲得戦略へさまざまな企画チケットやイベントを用意しています。

ボブルヘッド(首振り人形)を集めるもよし、企画ユニフォームを全てコンプリートするもよし!今年もスタジアムでは選手の熱いプレーだけでなく、球団ならではの企画でもファンを大いに喜ばせてくれそうです。

「負け方が大事」観客はスポーツに何を求めているのか?

元々「プロ野球」と「プロレス」くらいしか「プロスポーツ」を見に行ったことのない私。

しかし、仕事にも役立つかもしれないということで、このところ、ラグビーやサッカーなども生観戦しています。

プロ野球以外のスポーツについては「ルールがわからない」とか「めんどくさい」とかで、なかなか足が向かなかったのですが、いざ、足を運んでみると、いろいろな発見があって面白い。

たとえば、ラグビー・トップリーグでは、反則プレーの際には場内ビジョンとスタジアムアナウンスで、解説してくれます。これはわかりやすかった!

お次はJリーグを初生観戦。

とあるチームの開幕戦と、翌週に開催された私の地元・川崎フロンターレのホーム開幕戦にそれぞれ行ってきました。

前者はホームチームが敗戦。フロンターレは後半ロスタイムに追いついて4-4引き分け。結局どちらも勝てませんでした。

ただ、「次の試合も見たい!」と思ったのはフロンターレ戦!

大量得点だったこともあります。

しかし、前者のほうはゴール気配を感じず、後者は常にゴールへ向かう姿勢が素人目ながら感じた試合でした。それがあったからロスタイムの同点ゴールにつながったのかなと勝手ながら思います。

試合観戦から少し話は外れますが、この両ゲームを振り返ってみて、ふと思い出した言葉があります。

「どうやって負けるかが大事だ」

これは先日、仕事で撮影に入ったセミナーにて、福島・いわきFCの代表取締役・大倉智氏が語っていたこと。大倉氏が、ドイツの強豪サッカークラブ・バイエルンミュンヘンの関係者から聞いたものだそうです。

そして、こうも言っていました。

「チームに勝利だけを求めると、負けたときに来場者は減ってしまう。勝ち負けだけではなく、お客様に感動、勇気、希望といった無形のサービスを提供することがサッカーの本質ではないかと思う」

改めて思うことは「球場に何を求めに来ているか」そして球団側は「何を提示できるのか」

「負け方が大事」

負けても観客が持って帰れる満足があれば、私のようにファンは再び会場へ足を運ぼうとするはず。

チームのビジョンや個人の思いなどが、ファンに伝わるような環境、そして、コンテンツ制作においても、そのような姿勢で臨んでいかなければいけないと、強く心に思った次第でした。

“人間万事塞翁が馬”。侮るなかれ裏記録-その②―

さて、前回から引き続き少し穿った見方で記録を見ていきたいと思います。
プロ野球の世界では、燦然と輝く偉業がある一方で、その陰に隠れた裏記録も山のようにあります。アメリカで今もなおレジェンドとして活躍する、イチローのようなメジャー通算3000本安打記録。日本が誇るホームランアーチストで、未だに世界記録の王貞治の通算868本塁打。こちらが“光”とするならば、その①で書いたグスマンの18打席連続三振記録は、まさに“闇”でしょう。

ここではちょっと箸休め的に“光と闇”を対比的して言葉遊びをしてみたいと思います。

kiroku

いかがでしょうか。まさに明暗くっきりですが探せば探すほどにまだまだ出てきそうです・・・
以前にもこちらのブログで記載しましたが、私はプロ野球のデータ業務に従事でしています。今、世間ではデータというとメジャー・リーグのトレンドとなっているセイバーメトリクス(SABRmetrics)を思い浮かべる方も多いかもしれません。ビギナーの皆さんにも分かりやすいよう説明すると「選手成績、試合の結果などを統計学的に分析して、個々の能力やチームの強さを分析。そこからチームの経営や戦略に役立てる手法や考え方」のことです。

馴染みのない方には小難しいお話かもしれませんが、点取りゲームには数字やデータ、さらには記録がつきもの。ただ、だからと言っていきなりマニアックな世界に足を踏み入れる必要はありません。個人的には2回に渡って書き連ねた“珍記録”もデータの一部だと思います。ビギナーの皆さんには、私の言葉遊びのような感覚で興味を持ってもらえると面白いかもしれませんね。新たな野球の楽しみ方が加わる可能性も十分にあるでしょう。

“人間万事塞翁が馬”。侮るなかれ裏記録-その①―

打撃練習

18打席連続三振・・・野球の打席結果としてこんな記録を皆さんはどう思われますか。これはウソのようで本当に起こった記録で、2003年に横浜ベイスターズに在籍していたドミンゴ・グスマンが見事に!?達成したものです。

ちなみにこれは世界記録(私の調べた限り)。あえてグスマンをフォローするのであれば、彼が投手だったということですが、なかなかできるものではないですね。しかし、見方を変えればいわゆる“ダメ記録”でも球史に名を刻んだ大偉業。このイメージでグスマン投手を覚えている人も少なくないはず。

グスマン投手は当時「どうやってもバットに当たらないのだから仕方がない・・・」と語ったそうな

グスマン投手は当時「どうやってもバットに当たらないのだから仕方がない・・・」と語ったそうな

つまり今回のタイトルに当てはめると“人間万事塞翁が馬”ということ。こちらは中国の故事ことわざで端的に言うと『人間何が不幸で幸いか分からない――』ということだそうです。そういう意味ではやや強引ですが、これで名を挙げたグスマン投手も例外ではないのかもしれません。

開幕まであと2週間。今季は広島・黒田博樹の通算200勝(日米通算)や海の向こうではイチローがメジャー通算3000本安打の大記録を達成しそうですが、アウトサイドな見方で偉業に注目しても面白いと思います。

その2へ続く――――

HCと15人をつなぐ仕事人

スーパーラグビーがついに2月26日に開幕しました。南半球のラグビー強豪国、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカの3ヵ国で組織されるSANZARによって運営されるラグビーの国際リーグ。その世界最高峰のリーグに日本チームとしては初めて、ヒト・コミュニケーションズ サンウルブズが今季から新規参入しました。国内オープニングマッチは27日に秩父宮ラグビー場で開催され、結果は13対26で敗戦も日本ラグビー界にとって歴史的な一歩を踏み出しました。

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さて、今回私が注目したいのは「ウォーターボーイ」の存在。チームスタッフである彼らは反則や選手の怪我などでプレーが止まっている時間に選手の元へ給水で水を運びますが、もう一つ、大切な任務があります。それは、戦術を選手に伝えることです。

ラグビーはHCが観客席の上方に座り、無線でグラウンドにいるコーチに指示や戦術を出すのが一般的。ウォーターボーイはそのコーチからHCの指示を受け取り、限られた給水時間内で選手に伝達するというとても大事なポジションを担っています。なので、短時間で指示を理解する能力と、的確に選手に伝える表現力が求めらます。役割の大きさから、いわば“HCと15人をつなぐ仕事人”と言っても過言ではありません。

空前のラグビーブームのなか、サンウルブズや五郎丸歩選手、田中史朗選手らの活躍をスタジアムやテレビ観戦で応援する機会が増えてくると思います。グラウンド内の15人がフィーチャーされがちですが、チームを影で支える「ウォーターボーイ」の働きにも注目してみてはいかがでしょうか?

【行ってみた】プロ野球キャンプを「ちょこっと」ご案内 〜南郷編・その2〜

こんにちは。再び岩国です。「南郷編・その1」の続きです。前回は、南郷スタジアムまでの道のりと、メイン球場からサブグラウンドへの行き方をお伝えしました。

IMG_1533今回はまずサブグラウンドの観戦エリアからご紹介します。サブグラウンドAにはスタンド席があり、練習はここから見るカタチになります。

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こんな感じです。

手前のグラウンドでは、全体練習に入らない投手陣がノックを受けたりします。普段は見ることのない投手陣のフィールディング、特に岸投手の華麗なグラブさばきは必見ですよ!巧いです!そのほか、全体練習後の特守はここを使うことが多いです。

奥のスペースでは、投手陣のキャッチボールや遠投、さらにはランニング系のメニューを行われることが多いです。

右手の建物が・・・

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ブルペンです。一般の方の見学エリアは・・・

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こんな感じ。近づいてみると・・・

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球団によっては、一般のブルペン見学席の前に報道カメラがズラリと並んでいて、よく見えない!という場合もあるので、ライオンズは窓ガラスがあるとはいえ、本当に見やすいと思います。

ブルペンのすぐ横には・・・

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サブグラウンドB 。ここで時折見かける練習が「捕手強化メニュー」なのですが、

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写真のように、かなり近い位置で見たり撮影ができたりします。(今回は練習している選手はいませんが・・・)報道関係者もこの位置からになるので、お互い譲り合って練習を見学しましょう。

さらに・・・

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丘の上には室内練習場「くろしおドーム」(再び階段登ります!)

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建物正面右手、ここのシャッターが開いていれば、見学可能です!

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なかはこんな感じ。雨天時は主にここで練習します。ほかにはアーリーワークや全体練習後の個別トレーニング、体幹系のメニューなども行っています。

ちなみに・・・

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ブルーのカーペットゾーンは選手の導線です。一般の方は、基本的にはここは通ってはいけません。

練習場所への移動で選手が近くを通ることが多いですが、タイムスケジュールが細かく決まっていますので、サインなどをお願いすることは難しいです。ただ、プレゼントは受け取ってもらえるようです。

ちなみに練習メニューは・・・

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こんな形で、何カ所かに貼り出してあるほか、今年(2016年)から公式twitterでも、お知らせしているようですので、選手のスケジュールなどはそこで確認してみてください。

サインをもらう場合は練習後の移動時や帰るときに応じてもらいやすいのは、どこの球団も同じだと思いますが

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ライオンズの場合、正面入り口で即席サイン会を行うこともあります。当日も、正面で待機しているファンの方が結構多かったです。

あと!忘れてならないのが

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お食事エリア!前回紹介した2球団並!・・・とはいきませんが、ちゃんとご飯を食べられるところはあります。注意したいのは、土日はファンの方もたくさん訪れるので、売り切れ御免!となることも。

今回は諸々の都合で宮崎市内から行きましたが、南郷にもホテルはあります。ライオンズのキャンプのみに行かれる方は、南郷(もしくは日南)に宿泊することをお勧めします。おいしいご飯屋さんも結構ありますよ!

 

最後に。

ご紹介させていただいたように、ライオンズのキャンプ地はアップダウンが激しい場所です。特に女性の方ですが、動きやすき靴で行くことをオススメします。間違ってもヒールなどでは行かないように。こけますよー。ケガしますよー。あと、既に書きましたが防寒&日差し対策もお忘れなく。。。

 

おまけ

ちなみに外野スタンド外には・・・

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ちょっとした公園がありました。なんかいい。

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ちょっと歩くと海も見えます。のどかです。

キャンプも折り返し。実戦的な練習も増え、選手たちの状態もどんどん上がってくるこの時期。そんな選手たちの様子を自身の眼で「ちょこっと」観に行ってみてはいかがでしょうか。(2月10日執筆)

※埼玉西武ライオンズ・南郷キャンプは2月19日まで。